エンドポイントセキュリティとは?
多様化する働き方でますます注目が集まる理由
エンドポイントセキュリティの重要性はますます大きくなっています。リモートワークをはじめとする働き方の多様化に伴い、企業が講じるべきセキュリティ対策も変わってきているからです。現在は、社員がどこで仕事をしていても対応できるセキュリティが求められています。
この記事では、エンドポイントセキュリティとはそもそも何なのか、どういった種類があるのかを紹介していきます。
エンドポイント・セキュリティとは
エンドポイント・セキュリティとは、ネットワーク上のエンドポイントや、そこに保存されている情報をサイバー攻撃から守るセキュリティのことです。エンドポイントにサイバー攻撃を受けたら早期に検知し、分析と封じ込めを行います。
「エンドポイント」とは「末端」「終点」という意味です。セキュリティの分野では、PC、サーバー、プリンター、スマートフォンなど、ネットワークに接続して作業する機器、端末を指します。
エンドポイント環境は大きく変化している
最近は、次のような要素により、エンドポイントの環境は大きく変化しています。オフィス以外の場所で使われ、企業が管理しにくいエンドポイントが増えているのです。
- クラウドサービスの普及
クラウドサービスにより、業務システムやデータは社内のサーバーではなく、クラウド上で処理されることが多くなりました。そのため、端末はオフィス以外の場所でも多く利用されています。
- Wi-Fi(無線LAN)の普及
Wi-Fiスポットやモバイルルーターにより、外出先からも仕事ができるようになりました。そのため、出先に端末を持ち出すことも多くなっています。
- テレワークの普及
働き方改革や感染症対策としてテレワークの実施が2020年より急速に拡大し、自宅で仕事をする人も増えています。これも端末の持ち出しにつながるものです。
- BYODやシャドーITの増加
テレワークやオフィスの端末不足により、社員が個人所有のPCやタブレットを仕事に使うことも多くなりました。これは端末の増加、特に企業の管理しきれない端末の増加につながっています。
- AIやIoTの普及
AIやIoTの普及により、端末の数が激増しています。オフィスではなく、さまざまな場所で端末が動作しているのです。
さらに、サイバー攻撃の高度化と多様化が、セキュリティを難しくしています。
エンドポイント・セキュリティが注目されている背景とその重要性
エンドポイントの環境の変化により、エンドポイント・セキュリティはますます注目されています。そこには、次のような理由があります。
エンドポイントセキュリティが注目されている背景
業務用の端末が、オフィス以外の場所でも使われることが多くなりました。それはつまり、従来の「境界型」セキュリティでは間に合わなくなってきたということです。
境界型セキュリティは、ネットワークの内部と外部をはっきり分け、入り口(ゲートウェイ)を厳重に守ります。そうすることで、不正なアクセスやマルウェアの侵入を防ぐ方法です。
しかし、エンドポイント環境の変化により、境界だけを守っていればよいという時代ではなくなっています。
そのため現在は、利用している場所を問わず、エンドポイントである端末そのものを守るというエンドポイント・セキュリティが必要とされているのです。
また、「ゼロトラストセキュリティ」という概念も、エンドポイントセキュリティ同様に重視されています。これは、すべての端末を「信頼しないもの」として疑い、毎回厳重な認証を行うというものです。
ゼロトラストセキュリティについては、詳しくは「ゼロトラストとは?今注目を集める理由と仕組みを解説」を参考にしてください。
エンドポイント・セキュリティはなぜ重要か
エンドポイント・セキュリティが重要視されるのは、次の3つの理由によるものです。
- エンドポイントは、マルウェアが侵入し、動作を開始する場所
エンドポイントは外部からのアクセスの入り口です。つまり、マルウェアや不正なアクセスが最初に触れるのがエンドポイントになります。
そのため、エンドポイントならマルウェアや不正なアクセスを検知しやすいのです。さらに、エンドポイントで検知できれば被害を最小限に抑えることができます。
- エンドポイントセキュリティは環境に依存しない
多くの企業で使われているのはWindowsやMacなどのPCですが、テレワークではタブレットやスマートフォンなど、さまざまな端末が使われています。そのため、セキュリティツールを選びにくい場合も多いのです。
エンドポイント・セキュリティなら、環境に依存せず、OSやそのバージョン、機器の種類が異なっても同じようにエンドポイントを守ることができます。
- エンドポイントで扱う情報は企業にとって重要な資産
エンドポイントで扱う情報は企業の資産でもあり、顧客の情報でもあります。そのため、これらの情報の漏えいや損失は、企業そのものの信頼度や社会的信用の低下、顧客離れにつながるものです。エンドポイントで扱う情報を守るためには、エンドポイント・セキュリティが重要になります。
エンドポイント・セキュリティの種類
エンドポイント・セキュリティには次のような機能が含まれます。
- EPP(Endpoint Protection Platform)
エンドポイントでマルウェアの侵入を検知し、侵入による被害を最小限に抑えることができます。マルウェアの侵入を阻止できなかった場合に重要な機能です。
- NGEPP(Next Generation Endpoint Protection Platform)、NGAV(Next Generation Antivirus)
EPPやアンチウイルスソフトの機能を強化したものです。振る舞い検知により不審なプログラムを検知し、未知のマルウェアでも侵入を阻止することができます。
- EDR(Endpoint Detection and Response)
エンドポイントに侵入したマルウェアを検知し、被害を最小限に抑えることができます。
- DLP(Data Loss Prevention)
データの情報漏えい対策です。セキュリティポリシーに基づいて、機密情報の外部流出を防ぎます。悪意のある操作や誤操作も防ぐことが可能です。
- ファイアウォール(Firewall)
入り口で不正な通信をブロックし、内側からサイバー攻撃を守ります。許可したアクセスのみを通し、許可できないアクセスをブロックすることが可能です。
- データの暗号化
ファイルやフォルダ、HDDを暗号化して、万一不正なアクセスが起こった場合でも、情報漏えいを防ぐことができます。
まとめ:サイバー攻撃からエンドポイントを守るには、トータルでセキュリティを管理できるプラットフォームがおすすめ
昨今の環境変化から、エンドポイント・セキュリティの実現は企業のセキュリティ担当者にとって最も重要な任務と言えます。しかし、個別のセキュリティツールで十分なセキュリティを確保するのは非常に大変です。社外で端末が使われていたり、情報システム部門に管理されていない未知の端末があったりするため、企業の管理がなかなか追いつきません。
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